エコ活動の一環として「フードロス」という言葉が浸透しつつあります。
そんな中、注目されているのが乾燥食品です。
乾燥食品は、食材の水分を蒸発させた状態にするだけで完成するので、最近は自家製に挑戦する人も多いのではないでしょうか。
今回は、乾燥食品について紹介します。
歴史や種類、メリットやデメリットもまとめているので、ぜひご覧ください。
乾燥食品とは、天日干しなどにより、食材に含まれる水分を蒸発させて作った食品です。
乾燥食品の歴史はとても古く、縄文時代や弥生時代からすでに活用されていたと言われています。
その背景に、日本の四季が関係しています。
日本では、夏は高温多湿、冬は低温乾燥という気候が繰り返されるため、冷蔵庫のない時代は、ほとんどの食材を長期間常温で保存できませんでした。
そのため、昔の人たちは知恵を絞って、日光や焚き火などで食材の水分を飛ばし、気温や湿度に左右されない乾燥食品を作ったのです。
乾燥食品と言えば、乾燥わかめや干ししいたけといった食材をイメージする人が多いでしょう。
しかし、日本には、たくさんの乾燥食品の種類があるんですよ!
・魚介類(干物/干しエビ/昆布/ひじき)
・干し柿
・切り干し大根
・高野豆腐(凍み豆腐)
・寒天
・ドライフルーツ(ドライトマト)
・乾麺(蕎麦/うどん/そうめん/スパゲッティ)
・お麩
・かんぴょう
水で戻して食べる乾燥食品や、干し柿のように乾燥した状態で食べる食品と種類が豊富にあります。
ほとんどの家庭に1つは乾燥食品があるのではないでしょうか。
乾燥食品は使いたい時に料理できるというメリットがありますが、それ以外にもうれしいポイントがあるんです。
食材や乾燥食品を作る工程によりますが、多くの賞味期限は1年~2年と日持ちします。
また、乾燥食品の袋を開封しても、乾燥剤を入れたり湿気のない冷蔵庫の中で保存すると、数カ月間は通常通り食べたり料理しても問題ありません。
生鮮食品は消費期限なので、期間内に食べ切らなければいけません!
しかし、乾燥食品は賞味期限(美味しく食べられる期間)なので、ある程の期間は使用できます。
食材の水分を蒸発させることで、うまみがギュッと凝縮されます。
例えば、酸味の強いトマトを乾燥させると、甘みが増して食べやすくなり、バジルやパセリなどのハーブは味の濃さだけではなく、香りも強くなります。
乾燥食品は食材の水分が減った分、味が濃くなるため、そのまま食べても出汁として活用しても、美味しくいただけますよ。
食材によりますが、天日干しすることで、食材に含まれる栄養素が変化して高まります。
例えば、生のしいたけには骨粗しょう症予防に効果的なエルゴステリン成分が含まれています。
このエルゴステリンは、紫外線を浴びるとビタミンDに変化し、干ししいたけは約2倍の栄養価になるのです。
メリットがたくさんある乾燥食品ですが、見た目や口当たりなどにデメリットがいくつかあります。
乾燥食品は水分が含まれていないため、そのまま食べると歯ごたえや喉ごしといった食感が悪いです。
例えば、切り干し大根は水でしっかり戻すことで歯ごたえを感じますが、シャキシャキっとしたみずみずしさはほとんど感じられません。
食材の食感や喉ごしなど、口当たりを楽しみたい人にとっては、少しデメリットに感じられるかもしれません。
乾燥食品は数日かけて水分を蒸発させるため、全体的に色が暗くなります。
日本で馴染み深い乾燥食品と言えば干物ですが、生魚に比べると全体的に色がくすんでいますよね。
水気が失われるため、どうしても色味が悪くなってしまいます。
うまみや栄養価が高まる分、見た目の印象が悪くなる食品が多いです。
乾燥食品は食品を天日干しするだけで完成するので、自宅で簡単に作れます。
ですが、天候や天日干しする場所や保管状態によっては、カビや菌の繁殖により失敗するケースもあります。
カビが生えた乾燥食品を知らずに食べてしまうと、体調不良を引き起こすので気をつけなくてはいけません。
乾燥食品を簡単に作れる食品乾燥機やドライフルーツメーカーなどもあるので、乾燥食品をたくさん作りたい場合は、購入を検討しても良いかもしれませんね。
乾燥食品は、日本で昔から受け継がれている製法です。
乾燥食品の賞味期限は約1年と長いため、料理のアクセントやストック食材など、使い道がたくさんあります。
食材を乾燥させることで、うまみや栄養価が高まり、健康食としても注目されていますよ。
生の食品とは違う食感や見た目になるという点はありますが、便利な食材として多くの家庭や飲食店で重宝されています。
家庭でも天日干しや食品乾燥機などで作ることができますので、ぜひチャレンジしてみてください。